ツーリング号後継機

'96ヤマハTDM850の跡を継いで、'92 BMW R100GSPDがツーリングの相棒となりました。

TDMは良くできたバイクで、私が求めるロングツーリングの用途や走り方にマッチしており、その点ではとても満足できる車両でした。

ただ、機能面以外の要素として、見た目や音、操作感、振動、取り回しの重量感等、五感に訴える部分で愛着が沸くまでに至らず、どこか物足りなさを感じていました。
要するに私との相性の問題なのですが、ここで満足できなければ、やはり車両交代へと関心の焦点が移ってゆくのは自然な成り行きでした。
(でもTDMはなかなか良いバイクでした、沢山の思い出と共に、新しい仲間との出会いも取り持ってくれました)

私の五感に訴えかけ、走るほどに愛着が増してくるような魅力に満ちたバイクは無いものか?
そんな漠然とした思いに答えるかのように、相次いで登場してきたのがDUCATIのムルティストラーダBMWのR1200GSでした。
この2台はそもそも誕生のコンセプトからして私の求めるバイク像と重なる要素が多く、ツーリング中に現れる様々な道を走り抜けてゆく楽しみに最適であろうことを予感するに十分なモデルでした。
いずれも見積りを取り、支払い方法も決めて契約寸前まで行ったのですが、結果的には相次いで見送りとなりました。その理由は以下に述べる通り、私がバイクに求めているものが、私自身も気付かない内に徐々に変化してきた事にあるようです。

あれもこれもとバイクに欲張ると、バイク自体が主役となってしまい、そのバイクに合わせたツーリングを計画してしまいがちです。また、一緒に走る仲間とは、ペースや楽しめるステージが各々異なりますが、そのギャップがより大きくなります。
そして何よりも肝心な五感に訴える魅力も、シンプルでアナログ的なメカの味わいを好む身には、最新メカの感触に親しみ切れない可能性も十分懸念されます。

そのような嗜好性の変化が生じている最中に、ふと目にとまったのがBMW R100GSPD(パリダカ)でした。

トラブルや維持管理のリスクが高いので、古い年代のBMWは全くノーマークだったのですが、この年代のGSを得意とするショップが近くにあり、そこで極めて良好な状態のパリダカを見た瞬間、心の中のモヤモヤがスッキリと消えてゆくのを感じ、迷うことなくその場で決めてしまいました。