一輪車のバック練習

一輪車である程度行きたい方向へ走り続けられるようになると、新しい技を覚えたくなってきます。
例えば、移動せずその場で振り子のようにゆれる「アイドリング」。これはそれまで前進方向にしかペダルを漕いだことがないのに、後ろ方向にも踏み込むので、その動作のイメージが掴みにくく、全くの未知の技術でした。
これができるようになって味わえるようになったのは、これまでに経験したことのない不思議な浮遊感です。
(…いや、今思い出しました。そういえば子供時代に似たような感覚を味わったことがありました…。学校の退屈な授業中に、自分の座っている椅子を後ろに傾け、後ろに倒れそうになる寸前のところでピタリとバランスを保とうと夢中になっていて、たまに3〜4秒停止できた時の浮遊感が似ています。(笑))
ただ、椅子バランスはバランスが崩れたら立て直せず、時々見事に後ろへひっくり返ってクラス中の笑い者になってしまいますが、アイドリングではバランスを保ち続けることができるので、より長く浮遊感を味わえます。


そして今、さらに未知の感覚を求めて取り組んでいるのが「バック走行」です。
ここ1週間ほどバック走行の練習に専念してきた甲斐があり、短いながらもようやくペダルを逆回転させて背中の方向へ進めるようになってきました。
この感覚など、全く非日常的なものなので、バランスを保ちつつペダルを逆回転させると、見えているもの全てが前方へと流れ、自分は見えない背中の方向へ向かって進んでゆくのですから、これまた格別の浮遊感があります。
おもしろいもので、進行方向の見えないバックでは、バランスをキープしている感覚が研ぎ澄まされてきて、ある時点からタイヤが地面に接している感触や体重の係り具合を感じて勝手に体が動くようになってきます。
また、接地面から頭にかけて一本の軸を感じて、その軸を捻るようにして向きやバランスのコントロールができるようになってきます。
今日の練習では、これまでなんとなく勢いで5mから10m進めていたのが、少しずつコントロールできるようになり、時々10m〜20m以上進めるようになりました。