ペガサスカップ

早朝出発なので、真っ暗な山道を走っていると、時折見かける気温表示は0℃。
西の空に傾いた満月がカーブごとに見え隠れしてとてもきれいでした。
猪名川にさしかかると、あたりは明るくなり、畑や田んぼは霜で真っ白。
快晴無風の夜だったので、放射冷却というやつですね。そして日中は天気予報通り、とても暖かくなりました。


7時に会場入りしたら、すでに結構な人数がいました。
早速バイクを下ろして準備を済ませ、受付までの間に少し下見をします。


すぐに目に付いたのが、本部前の緩やかな登り斜面に設定された第5セクションでした。
なんとステアもターンもない、ただの平地です!?
インからアウトまでの距離約20m。インから5mあたりに一本、スタートラインのようなテープが引かれています。
これが噂に聞いていたウィリーセクションですね。
私が出場する「いて」クラスの緑マーカーが、アウト地点に置いてあります。
ということは、ウィリーのままセクションアウトできればクリーンということなのでしょう。その手前にフロントホイールを落としてしまうと、たぶん距離に応じて減点があるみたいです。
「一発勝負でウィリーなんて無理っす!」 ここではクリーンが出せそうもありません。(苦笑)


さてその他のセクションの特徴ですが、まず、ステアが結構多いです。近畿選手権でもこんなにたくさんステアがでていなかったはずです。しかも尖っていたり、斜めに入らされたり、越えてからの落差があったりと、かなり厳しい設定です。
開会式の説明では、天気とグリップが良いので、難しい目の設定にしたそうなのですが、私も「こりゃ何度か5点喰らうな…」と覚悟しました。


次に、難しい登りが2つありました。一つは下へ流れやすく難しいターンからいきなり急角度に登るキャンバーターンのあるセクション。そしてもう一つは狭くて長くて急傾斜で、岩や根っこの上も走らされるヒルクライム。これも「何度か5点を喰らうな…」と覚悟しました。


他には、斜面を横切る地点が狭かったり、リアが流されやすくてすごくデリケートな操作が必要なポイントもいくつかありました。
などなど、難易度的には前回の近畿戦並みという感じで、のっけからビビってしまいました。


今回の第一目標は「ターン練習の成果を試す」。そして第二目標は「1ラップ目のもったいない減点を減らす」ことにあります。
セクションの難しさに動揺したり、スコアや順位を気にしすぎたりせず、とにかく目の前のセクションに集中し切るのだ!と、下見中ずっと自分に言い聞かせていました。


そしていよいよコンペがスタート。以下のスコアから振り返ってみると…

クリーン21、1点7、2点1、3点なし、5点1で、減点合計14。
いてクラス20名中3位(2位と同点、クリーン差で負け)で、まさかの入賞となりました。


今回の成果としては、
まず、1ラップ目が減点1で回れた事。1ラップ目には与えられた競技時間の半分を費やしてしまいましたが、1セクション毎の集中が維持でき、狙ったラインに安定したターンで入ることができました。
ステアはちょっと不安定でしたが、気合でカバー。1セクの1点は、僅かにリアが流れてこらえきれませんでした。
自分でも信じられないようなスコアを1ラップ目に叩き出せたので、目標の一つはクリアーです。


それから、3ラップとも1ケタ台のスコアにまとめることができたのも大満足です。


あと、減点2以上のセクションが2つだけで、のこりはクリーンか1点だったこと、ウィリーセクションでオールクリーンだったこと、そして3位に入賞できたことなど、いろいろ成果がありました。
もちろん、ターン練習の成果がコンペで発揮できたので、もう一つの目標もクリアーできました。(^-^)
一方、課題・反省点としては、
1ラップ目が良すぎたために、欲が出てしまい、走りが守りに入ってしまった。
気持ち的には、「次のセクションに集中!」と言い聞かせていたのですが、頭の中で「クリーン、クリーン…」とささやく声が常に聞こえていました。
これではいかん!と、「いつもの練習どおりに走りさえすればよい」と言い聞かせると、走りが以前の棒立ちライディングに戻っていました。
長く慣れ親しんだ棒立ちライディングは、油断するとすぐに顔を出してしまうようです。なので、3ラップ目は気持ちを切り替えても集中しなおしても、ポロリ、ポロリと1点が続いてしまいました。


このことから逆に考えると、1ラップ目は「ターン成果を試す」という目標を強く意識できていたので、「棒立ちライディング」をしっかり抑え込んでいたのだろうと思います。
今はまだ身体に強く沁みこんでしまっている「棒立ちライディング」なので、これが新しいライディングスタイルに置き代わらないと、本当に身に付いたとは言えませんね。


今後は「棒立ちライディングを追い出す!」というのを目標に、引き続きターンを磨いてゆこうと思います。