刺す

この週末は、用事に追われて忙しく、練習できませんでした。


さて、
トライアルの雑誌やDVDを見ていると、しばしば「刺す」という表現が使われています。
二度吹かしなどで、ステアの角にフロントタイヤを当てて、フォークを縮める操作などに使われますが、私はどうもこの「刺す」という操作が苦手です。
なぜならステアの角でフォークを縮めるような操作をしたら、勢いが殺されてかえって上がれないような気がして、ついついフロントを上げ過ぎてしまうのです。


ステアの角でフォークを刺してグッと縮めたら、伸びようとする反発が上昇力に使えるという理屈は分かるのですが、いざステアに向かうとそれができないようでは困りものです。


そこで、DVDを繰り返し見ながら、「刺す」場面を集中的に観察。そこから何か自分にとってピッタリくる良いイメージを見出そうとしました。
そしてその結果、なんとなく見えてきたのは、「刺す」ということには、「タメ」と「跳ね上がり」を使えるメリットがあるらしいということです。


この事はレッスンDVDでも言われているので、知らないわけではなかったのですが、私にとって肝心なのは、「タメ」と「水平方向から上方向への跳ね上がり」がステア越えの具体的な操作イメージに結び付けられるかどうかでした。


で、DVD観察からなんとなく見えてきたような気がする、「刺す」操作のイメージとは、
●ステアへ向けて加速し、前進→上昇へと跳ね上がるような動きを生み出すには、フロントタイヤがぶつかって上へと向かう障害物が効果的。 つまり前輪をステアの角に「刺す」ことがそれにあたる。


●しかしライダーは刺すためのフロントアップで、少し重心が後ろに掛かっているので、そのままの体勢からステアへ向けて加速すると、ライダーの重心がさらに遅れてしまい、ステアを上がれなくなる。


●そこで、バイクがステアを越え始めるまでに、ライダーがステップの真上へ重心を移せるだけの「間」=「時間」が必要となる。


●この「間」が必要だからこそ、フォークを刺して縮めるまでの「タメ」という一瞬の「間」が役に立つ。


●そして「タメ」た結果、縮んだ前後サスが伸びるタイミングとライダーの踏切り動作が一致して最大の上昇力が発揮できる。


こう考えてみると、「刺す」ことが苦手な私は、「間」がとれないので、体が遅れたままでステアに向かってしまって失敗していることになりますが、なるほどそれは確かに当てはまっています。
つまり、私にとって必要なのはフロントアップして後ろにある重心を、前方へと戻すための「間」であり、その「間」を生み出すために「刺す」という操作を使えるようになればよい訳です。


そのための練習方法としては、
●壁に向かってフロントアップ→ハンドルあたりの高さに刺し、刺さって縮んだフォークが伸びる反発を感じる。
これができたら、
●わざと体を遅れ気味の体勢から壁に刺し、刺さった反動で体が前へと向かう勢いを利用して真上に立つ。
●さらに刺さる瞬間に強くステップを踏んで前後サスを沈めつつ、体をステップの上へと移動させる。
●実際のステアで「刺す」「タメ」「間」と、「踏切り」「クラッチ加速」の5つのポイントを意識しながら越えてみる。


といった練習方法を試してみようと思います。


もしこの練習アイデアが正解だったなら、リア飛ばしの技が身につけられるかも?(笑)