岩+刺さる土手越え

最近新たにできたラインです。



土手は下半分がほぼ垂直面になっており、普通に当たれば刺さってしまいます。
その土手の手前に高さ30センチほどのなだらかな岩があり、リアホイールがその岩に乗った時点でフロントが土手に刺さるという意地悪な配置です。


このラインで土手を上がる方法は
1、手前の岩から土手の上へジャンプする。
2、手前の岩でフロントアップし、垂直面の上の部分にフロントを当てて上がる二度吹かし。
3、岩の手前からフロントアップし、ウィリー状態で壁にフロントを当てて上がるウィリー二度吹かし。
4、フロントを浮かさず、完全に地面をなめて上がる方法。
などがあります。


1のジャンプは、土手の高さの割に大きなきっかけ石となるので、勢いさえつけられれば簡単な方法です。
2と3の方法だとフロントアップを失敗した時、まともに壁に刺さって止まってしまうのが恐怖です。刺さるのを恐れてフロントを上げ過ぎると身体が遅れ、アンダーガードを打って失速します。
4のなめるやり方は、そもそもフロントを土手の下に刺しにいくのですから、さらに恐怖です。



以下は、4の方法が得意な方の連続画像です。





4コマ目で、まともにフロントが刺さっていますが、そこからいとも簡単に上がっています。
目の高さ近くある土手なので、ゆっくりだと登れませんが、かと言って勢いに頼ると本当に刺さってしまうので、アクセルワークもボディーアクションも、絶妙のタイミングが求められる方法です。


段差と言えばすぐにフロントを上げるという単純な発想に陥りがちですが、私には目からウロコの攻略法でした。


このなめる越え方をマスターできれば、アプローチでミスしてステアにくっつきそうに近づいたり、あるいは本当にくっついてしまった状態からでも対処できる可能性が高まりますし、高いステアでは、ステアに近い距離から一気にフロントをすくい上げて上昇力をつける操作もやりやすくなるかも知れません。




上級者でもなければ、初めてこのラインにトライする時は、刺さりそうな恐怖感を振り払ってスタートしなければなりません。
技術的な難しさに加えて、心理的な難しさが上乗せされたラインだけに、緊張のあまり操作をミスしてしまいがちです。






ところが、驚いた事に、2の方法でこのラインをクリアーするビギナークラスのライダー(女性含む)も数人現れています!
ビギナーの壁を乗り越えようとする皆さんの情熱には私も頭が下がる思いです。(拍手)