大会を振り返って

今回のNAデビュー戦の印象を、NBクラスを走っていた時との比較で思いつくままに振り返ってみました…


<セクション的な要求>
・高く駆け上るラインが多い。
・高い場所で不規則な凹凸があって危ない、怖い。
・難しい下りが多い。
・高いステアや2段ステアがある。
・振りの必要性はそれほど高くない。






<技術・体力的に求められるもの>
・前輪を転がせない「詰まった」状況の対応力。
・目の前のステアや斜面に飛びつく加速や踏切りの技術。
・脚力と握力の消耗が激しい事への対策。




<戦略的、心理的な必要>
・走りの「流れ」を大切に。
・思い切りの良い操作。
・焦りに飲み込まれない冷静な対応力を保つ。
・緊張や怖さ・難しさもワクワクに変えて「楽しんでしまう」挑戦心。
・失敗しても笑って次へ向かえるエンジョイスピリット。


といったものが浮かんできました。


全般的な印象としては、
NB時代終盤は「昇格」が大きな目標で、しかもクリーンを取って当たり前のセクションが半分以上を占めたので、どうしても神経戦となり、3点でもガッカリ、でした。
ところが、NAデビューの今回はセクションの難易度が高いので5点を喰らっても納得できるほど手応え満点でした。
と同時にクリーンや1点の達成感、満足感がとても大きくなりました。


昨年一足先にNA昇格を果たした知り合い達は、みな異口同音に「NAは面白い!」と言っていたのを半信半疑で聞いていた私ですが、なるほどそうだったのかと、今回の参戦で納得できました。
実際、昨年はただの通路のような物足りないイージーラインだったのが、NAのマーカーが加わることで劇的に難しくなったセクションがあり、「トライアルをしている!」という手ごたえは確かに満点でした。(^^)




その手応えの一例として、高い登り下りが多いというのがあります。
見上げるような高い場所で、「きつい登り傾斜」+「登り姿勢から下り姿勢へ」+「キャンバーターン」+「根っこや岩の出っ張り」+「恐怖感」+「転がり落ちるような危ない下り」+「握力の消耗」などの要素がたたみかけてくるポイントをいかに攻略するか?
という難題は、NB時代にはなかったものです。




こんな手応えのあるセクショントライを繰り返すと、体力もさぞかし消耗するだろうと思っていたのですが、これは意外にもNB並みでした。
理由は簡単で、5点が多かったからです。(笑)
ただし、筋力は消耗が激しく、3ラップ目後半になると手足が痙攣を始めました。


そして何より怖いのが握力の消耗で、3ラップ目の後半、手がつりはじめて、だましだましトライ。
それでもトライ中に右手の指が言うことをだんだん聞かなくなってきて、最後の下りではレバーに力が入らなくなるという状況も経験しました。(>_<)


これは本当に危ないので、今後、「いかに握力を温存して走るか?」という問題が、重要なテーマになりました。


今回の経験と反省を活かすべく、今後の練習方法などを工夫していきたいと思います。








最後に、
今回エンストによる5点がありました。


競技規則によると、エンジン停止関連で5点になる「失敗」の定義とは、
「エンジンが止まる」「車両が停止する」「タイヤ以外で支える」の3要素が同時に成立した時。(←私なりに簡素化して表現しています)
だそうです。


私はキャンバーターン直後にエンストした後、足を地面に着かず、下りながらキックを2回繰り返してエンジンがかからず停止し、足を着いて5点となりました。
でも、このルールをちゃんと理解していれば、


エンストしたら、できるだけバイクの前進を止めてキック。バランスが崩れて足を着きそうになったら一旦ブレーキを緩めて足つき前進。ただちにステップに立って再びスタンディングでキックを繰り返せば、エンストしても足を着いてからまたエンジンをかけるという切り抜け方ができたのではないかと思いました。


とにかく、前進さえしていれば、エンストで足つきしてもまだセーフ(5点になっていない)なのです。




5点と3点では大きな違いですから、「セクション内でエンストした時の再始動」も練習の重要なテーマに位置づけて取り組んでおいた方が良さそうです。